【制作の記録】暗記から抜け出すために。『大アルカナのイメージ物語』の執筆スタートから第16章まで

占いに興味がなくても、きれいなタロットカードを眺めていると、読めるようになりたくなってしまうものです。
私自身も、占い師になるつもりはなかったのに、タロットが読めるようになりたかった一人でした。
Kindle出版に向けて制作している『大アルカナのイメージ物語』(仮)』
ここでは、執筆を始めてから第16章まで書き進めた道のりをまとめます。
なぜ、この本を書き始めたのか
タロットの入門書を開いたとき、カードの解説と意味の多さに、ゲンナリした経験はありませんか?
- 恋愛、仕事、人間関係、相手の気持ち、過去・現在・未来
- 絵柄の背景の色、描かれているもの、人物の表情や向き
- 正位置と逆位置
丁寧な入門書ほど、覚えることはどんどん増えていきます。
「愚者=自由」「魔術師=創造」のように単語帳として覚えても、質問によって意味が変わるリーディングでは、使いどころが分かりません。
でもタロットは、単語ではなくカード型の「絵」です。そこには人物がいて、表情があり、行動があり、背景があります。
だから私は、意味を思い出すのではなく、カードを「場面」として見ることをおすすめしています。
たとえば愚者なら、こんなふうに......
- この人は、どこから来たのだろう?
- どこへ行こうとしているのだろう?
- なぜ荷物が少ないのだろう?
- 本人は、崖の近くにいることに気づいているのだろう?
こうして問いかけるだけで、一枚のカードは「単語」から「場面」に変わります。
ただし、「暗記しなくていい」は「勉強しなくていい」ではありません。
基本の意味を知ったうえで、知識だけに頼らずに読むこと。
それが、暗記から抜け出すということだと思っています。
そんなことを考えるうちに、22枚の大アルカナが、単なる意味の一覧には見えなくなってきました。
読むだけで絵柄のイメージが頭に入る本があればいいのでは?
そう思い立って、大アルカナ22枚を物語にする執筆を始めました。
第5章まで|カードの世界が広がりはじめた
最初は「カードの意味を物語にすればいい」と思っていました。
ところが書き始めてみると、カードの世界が、思っていた以上にぐんぐん広がっていったのです。
執筆中に意外だったのは、カードを調べてから物語を書くのではなく、物語を書いている途中でカードの意味が深く見えてきたことでした。
- 「覚える」→「理解する」→「感じる」
- 「物語を読む」→「人物の気持ちを追う」→「その人物が象徴するものに気づく」
後者のステップは、タロットと向き合うための基本中の基本の体感なのかもしれません。
この本は、タロットを勉強している人のためだけのものではありません。
タロットを全く知らない人が、ふつうの短編物語として読んでも楽しめる内容を目指しています。
第6章〜第11章|折り返し地点へ
続いて、全22章のうち第11章までを書き終え、折り返し地点に到達しました。
- 第6章「恋人」 甘い選択だけではない、自らの意志で人生を選び取る瞬間のまぶしさ。
- 第7章「戦車」 矛盾する感情や葛藤を抱えながらも、前に進む強い覚悟と疾走感。
- 第8章「力」 力づくで抑え込むのではなく、優しさと忍耐で心を通わせる本当の強さ。
- 第9章「隠者」 喧騒から離れ、自分の内側にある「答え」を探しに行く静かな時間。
- 第10章「運命の輪」 抗えない時代の波やチャンスの訪れ、自分の人生のタイミング。
- 第11章「正義」 感情に流されず、自分の行動に責任を持つというブレない軸。
「なぜその決断をしたのか?」
「この場面のあと、どんな人生を歩んでいくのか?」
という人物のバックボーンまで観察しながら、物語を紡いでいきました。
第12章〜第16章|試練と変容のゾーン
そして、第16章までが完成し、全体の約7割を書き終えました。
- 第12章「吊るされた男」 動きが取れない時間の中で見えてくる、新しい視点と自己犠牲の価値。
- 第13章「死神」 終わることを恐れず、次のステージへ進むための潔い手放しと再生。
- 第14章「節制」 異なる価値観や相反する感情を、絶妙なバランスで調和させていく穏やかな強さ。
- 第15章「悪魔」 甘い誘惑や囚われから、自分を縛る「執着」の正体に気づくプロセス。
- 第16章「塔」 積み上げてきたものが崩れ去るショックと、そこからしか始まらない真の覚醒。
このあたりは、「ちょっと怖い」「解釈が難しい」と感じやすいカードが集中する区間です。
けれど、人物の葛藤を丁寧に追っていくと、崩壊や死は終わりではなく、本当の自分を取り戻すための必然のステップだったのだと納得できる展開になりました。
「塔=不吉」「死神=終わり」という単語の印象が、物語を通すと「愛おしいカード」に変わっていきます。
暗闇の先にある、夜明けの第17章「星」からのラストスパートは、次の記事でご報告します。
お楽しみに___

