リニューアルされていく街と彼女

もう、ずいぶん長く東京に居座っている。
いつしか標準語も流暢になり、居心地が良くて住み着いた感じだわ。

この街で思うことは、移りゆく光と影。
とにかく景色がよく変わるのよ。

時代に合わせて現在地を見極めるのがとても早い、それが東京だわ。
次から次へとリニューアルされる街並みや駅周辺。

それは、東京での人付き合いにも似ていると思う。

幾度となく出会いを繰り返す中で、いつも親しくなっては去っていく絡み合う人々。

どんなに仲良くしていても、すぐに音信不通になり忘れ去られるし、彼女も忘れてしまう。

それは、どんなに綺麗にリニューアルしても、人々の出入りの激しさに、あっという間にくすんでしまう駅の床に似ているかもしれないわね。

このスピード感は、彼女にとって自分を見つめるのにちょうど良い。

東京にいる人々は、過干渉にならない距離感をみんなが知っているでしょ。
それは、彼女らしさを出せる場所とも言えるし、誰にも相手にされない場所とも言える。

そして、いつも何事もなかったかのように忙しなく時が過ぎていく感じは、居心地の良さでもあるわね。

この魅惑的な空気感と時の流れは、好きなように心の拠り所を決められ、彼女の現在地を見極められるようになる。

そんな東京は、いつも新鮮で特別な街なの。

季節の移り変わりの如く、景色を変えていくこの街には、虚しさに気づく前に塗り替えられる心の強さも養われていくわ。

東京は、いつでも自分をリニューアルできる場所。

やり直せるのは、めくるめく時の流れの中で光を見つけることができるから……そして輝くためには、人知れず自分と戦っている影があることも教えてくれるわ。

だから彼女は、居座って離れられなくなったみたいね。