選択肢が多すぎて迷い続けてしまう

あれもこれもと、私たちの前には日々、驚くほど豊かな選択肢が広がっていますね。
スマートフォン一つとっても、無数のアプリ、情報、そして生き方までが提示されています。

この選択肢の多さは、ときに私たちを立ち止まらせ、深く長い「迷いの森」へと誘い込むでしょう。

迷宮の森で選択肢の多さに迷うあなたへ

最近の世の中は、本当に「選べること」が増えました。
たとえば、カフェのメニューを見ているだけで迷ってしまうことってありませんか?
コーヒーだけでも何種類もあって、サイズもミルクやトッピングなど、多くのカスタムが自由にできますしね。
気づけば、メニューをじっと見つめたまま動けなくなる、なんてこともあるでしょう。

それは、あなたがただ、慎重に丁寧に選ぼうとしているだけなので、決して優柔不断だからではありませんよ。

自分らしい未来を選ぶ羅針盤

どれを選んでも正解のように思えて、間違った選択を恐れるがあまり、行動できなくなっていませんか?

何かに迷っていると、人はつい「今すぐ決めなきゃ」と思い込みがちですね。
そんなときでも、決めないままにしておくことも立派な選択のひとつなんです。

迷い過ぎて何も選べないなら、心を軽くする3つの工夫をしてみるのが良いでしょう。

まずは「選ばない」という選択肢も思い出す

もし、お洋服を買うときに何枚も候補があって決められないなら「今日は買わなくてもいいか」と一歩引いてみるのも大事です。
そうすると不思議と気持ちが楽になり、また別の日にすっと決まることがあります。
次に買い物に来たとき、あのとき迷ったモノの中から自然に手に取れるものが、出てきたりします。

もう少し大きな選択でも同じです。
転職や引っ越しのような人生の節目になる選択で、気持ちが固まっていないときに、無理に結論を出そうとすると、心がどんどん追い込まれてしまうでしょう。

一度「今は決めない」と自分に許可を出すだけで心にスペースができます。
その間に、ゆっくり気持ちが育っていくきますから。

選ぶことに目を奪われず「すぐに選ばない」という選択肢を思い出すと、焦りがほどけて視野が広がります。
たったそれだけのことでも、本当に大事にしたいモノが浮かび上り、変化が起き始めるのです。

選択は、今すぐじゃなくてもいい、あなたのタイミングで決めていいと、いつでも思い出しましょう。
そうすれば、余白生まれ、より自分らしい選択を連れてきてくれるのです。

完璧を求めず小さな一歩を踏み出す

何か思いついても、いきなり全部を決める必要はありません。

新しい趣味を始めたいのに「道具をそろえなきゃ」「続くか分からない」と考えすぎてなかなか動けないなら、最初の一歩は「動画を一本見てみる」「お店で少し眺めてみる」くらいでもいいんです。
始めてみると、次に何をしたらいいか?が、見えてきます。

完璧なタイミングも完璧な条件も、待っていてもなかなか来ません。
小さく動き始めてみれば、不思議と流れが生まれ、あなたにとっての「ちょうどいい選択」が見えやすくなるのです。

そして、小さな一歩を積み重ねていると気づけば「以前より前に進んでいる私」がそこにいます。
たとえ途中で迷い直しても、あなたの景色は確実に広がり始めているのですよ。

未来の自分の気分を想像してみる

ある程度の経験値があるほど、多くの人は「どちらが正しいか」「どちらが得か」と頭で判断しようとします。

けれども、頭だけで考えると答えがどんどん固くなり、さらに迷いが深くなってしまうことがあります。
そんなときに役立つのが、未来の自分の気分をそっと思い浮かべる方法です。

たとえば、休日の過ごし方で「家でゆっくりするか」「外に出かけるか」で迷っているとします。
そんなときに「もし外に出たら、帰り道でどんな気分かな?」「もし家で過ごしたら、夕方の私は満足しているだろうか?」そんなふうに、未来の自分の表情を思い浮かべてみてください。

もっと現実的に、仕事を変えるかどうか迷っているときなら「新しい職場で帰る電車に揺られている私は、どんな顔をしているかな?」「もし今の仕事を続けていたら、半年後の私は元気でいられるかな?」
と、先の自分の日常をそっと覗いてみるようイメージしてみましょう。

すると、なんとなくワクワクしている自分や、少し肩の力が抜けている自分、逆に少し重たい気分を抱えている自分
そんなイメージがふわっと浮かぶことがあります。

この「なんとなくの感覚」こそが、あなたの本音に近い答えを教えてくれることが多いのです。
頭で考えるよりも、未来の自分が感じて「しっくりくる方」が、あなたへ選択のヒントを静かに差し出してくれる瞬間なのです。

未来の自分をちょっと覗いてみる感覚は、それほど難しいことではなく、絵本を開くようにそっとイメージしてみる。
その小さな想像が、迷った心を優しく方向づけてくれますよ。

迷っている時間も無駄ではない

迷っている時間にも、ちゃんと意味があります。
人生の選択もよく似ていて、見た目には止まっているように見えても、内側ではちゃんと未来の自分のための調整が進んでいるのです。

あなたが成長している迷いの時間は、焦りや不安が顔を出すことはあっても、その奥に「自分を大切にしたい」という思いがちゃんと息づいています。

そして、迷ったあとで選んだ道は、たとえ小さな一歩でも、あなたの中でしっかり意味を持つ選択になるでしょう。
時間をかけた分だけ、その選択はあなたに馴染み、ゆっくりと未来を形づくっていきます。

だから「迷う私は優柔不断でダメだ」なんて思わないでくださいね。
迷った分だけ、あなたの道はあなたらしく整えられ、その静かなプロセスは、決して無駄ではありませんから。

選択肢が多いというのは、それだけ未来に可能性があるということ。
どれを選んでも、その先を自分らしく育てていけば「あなたの正解」となり、選んだ道は必ず「あなたの道」になります。

正解があるから選ぶのではなく、選んだ道を少しずつ正解にしていくのが人生。

焦らず責めず、自分のペースを保っていれば、どんなに迷っていても、あなたは、ちゃんと前に進んでいきますよ。

──── Yukino