アナログの知識はデジタルイラストの強み

イラストを描くときデジタルツールは、とっても便利!
でも「なんか構図がおかしい」「色のセンスが気になる」「雰囲気が出ない」と思うことはありませんか?

それは、アナログの理解が不足しているかも?
アナログを学ぶことは、デジタル表現の可能性を広げれくれますよ────

デジタルイラストでアナログの知識は必要?

デジタルでイラストを描いているとブラシやレイヤー、フィルターなど便利な機能がいくらでもあります。
いとも簡単に、プロっぽく仕上げることもできて、それなりに満足度も高いでしょう。

だからこそ、知らずに「ツールに助けられて描けてしまう」ことも多いのです。

けれど、デジタルに慣れてくるといつも同じような感じで、退屈になったり何かが足りないけどどうすれば良いかわからんかったりしませんか?

その伸び悩みの多くは、アナログに触れていないことが原因だったりします。

ある年代までは、アナログしかなかったので、イラストや絵画を学ぶときに基礎の大切さに気づくのです。

例えば、筆やペンの線は手の震えをそのまま拾うので、光と影の置き方の甘さもすぐに露わになるでしょう。
何度も繰り返し練習することで、描く人の基礎力が自然に鍛えられます。

そして、この基礎力こそがデジタルでの表現力を強力に押し上げてくれるのです。

そう、デジタルで上手くなりたい人ほどアナログを知って欲しいと思います。

アナログの知識とは?

アナログの知識とは、描くための基本的な道具を知ることから始まります。

ペンなのか、筆なのか、鉛筆やマーカーなどいくつもの描くための道具は、それぞれに異なった技術が必要です。

そして、何に描くか?
紙ひとつとっても、質感や用途の違う紙が多く揃っています。

同じ紙に違った画材で描くとまた、知らない世界へ導かれるように技術以上のものに出会うことになるのです。

絵の具も水彩と油絵だったり、水彩でも透明水彩と不透明水彩があるなど、歴史が長いことからも想像できますが、アナログの道具は計り知れないほど多様化しています。

だからって、すべてを試す必要はないのですよ。

ひとつ興味のあるものに触れてみるだけでも、世界が広がりますからね。

知識だけでなく経験も大切

ということで、アナログの知識以上に実際に描くことが大切になってきます。

アナログは、デジタルのようにペンと画面の質感が自由に選べるからこそ、その手で感触を味わえるのが醍醐味です。

水彩絵の具に触れ、その滲み具合を知っている人が、デジタル水彩を使うのと水彩絵の具の特性を知らない人が描くデジタル水彩では、奥行きが違ってきます。

もちろん、デジタルは特有のクセがあるので、それを利用するのは別の技術だとしても、色の重なりや混ざり方を経験するだけで理解が変わってきます。

特に、筆に慣れるのがおすすめです。
アナログの筆の質感や特性を知っていると、デジタルのブラシを選ぶときに役立つだけでなく、オリジナルのブラシを作るときにもイメージをつけやすくなるでしょう。

アナログの知識と経験がデジタルイラストを強くする

それでは、なぜ?
アナログを知っている人はデジタルでも強くなれるのでしょうか??

アナログを知ることで、デジタルの絵が急に洗練される理由は、大きく3つあります。

◆ 描くための観察力が育つ

アナログのデッサンはごまかしが効きませんから
光の方向、影の濃さ、形の流れの観察が甘いほど、恐ろしくそのまま絵に出てしまいます。

この「見る力」が身につくと、デジタルの立体感・質感・空気感が一気に自然になるのです。

◆ 線と形のコントロールが上達する

デジタルには、手ブレ補正がありますが、アナログにはありません。
アナログで「手首・肘・肩」をどう使えばきれいな線が引けるかが身につきます。

そのことが、結果的にデジタルでも迷いのない線が描けるようになるのです。
線に迷いがなくなると、仕上げの質も大きく変わりますよ。

◆ 色の本質が体で理解できる

アナログでは「混ぜると濁る」「薄めると光が残る」といった、色の本来のルールをそのまま体験できます。

その経験が、デジタルでも「濁らない配色」「空気感のある影色」「メリハリのある光」といった表現が、自然に扱えるようになり、作品全体の色設計が身につくのです。

この3つは派手ではないけれど、デジタルイラストの芯をつくり、オリジナルの世界観を生み出す基礎になります。

アナログ技術の効率化としてのデジタル

デジタルイラストは、とっても便利で自由ですね。
レイヤーもブラシも無限にあり、色もワンタップで変えられ、失敗してもすぐ戻れます。
この「効率の良さ」が、デジタルの最大の魅力です。

けれど、本質的に見るとデジタルは、アナログでしか得られない絵の技術をより早く、より正確に表現するための道具
にすぎません。

つまりデジタルは、アナログの効率化であり、置き換えではありません。

アナログで絵の基礎が育てて軸を作れば、その軸を効率よく形にしてくれるのがデジタルです。
この関係性が上手くいくと制作のスピードを上げてくれ、かつ作品のクオリティへと繋がっていきます。

デジタルは、特別なのではありません。
描くという行為はいつも「観察して、解釈して、形にする」という流れでできています。

アナログを軸に、デジタルで拡張する、この視点があると絵は、もっと楽にもっと伸びていくはずでしょう。

──── Yukino